core+cells 現場状況

08/9/27 外構工事と引渡し
造園屋さんに一時避難していたシークヮサーの木も無事帰宅。

たくさんの方々の協力で竣工することがました。お疲れさまでした。竣工写真はこちら
08/9/09 外部塗装と木建具
外部は細かい骨材を吹付ける塗装仕上げで、いくつかのcellごとに塗り分けます。木の建具や収納の扉など木工所から続々搬入されて仕上げ工事も大詰め。
08/8/05 内部塗装
室内壁面補修を終えて作り付けの家具を搬入組立塗装、家具塗装を終えたら内壁の塗装、天井の吸音断熱材を吹付ける。コンクリートのグレーが白粉されてお上品に変身です。外壁へつづく。
08/7/02 内部造作
枠を脱型してコンクリート表面の補修を施します。要所で検査を行い精度を監理。同時期にサッシが建て付き床が組み上がり作り付けの家具の造作が進み、、、詳細な図面を元に現場はサクサク進みます。施主と壁の塗装色最終決定や大工家具屋金物屋との打合せなどもビシッと決めます。
08/4/26 棟上げ
打ち上がった2階の床スラブに墨出しをして、2階部分の壁型枠の立ち上げ、配筋、設備機器の設置です。それから屋上部分の型枠を組み、配筋、設備設置をして検査、そして無事打設しました。打設後には施主から感謝の言葉を添えてヤギ汁牛汁も。ごちそうさまでした。
08/3/31 1階壁と2階床スラブのコンクリート打設
土間コンクリート上に1階壁の型枠を建ち上げ鉄筋配筋、設備配管をして検査。次は2階床部分の型枠を建ち上げ鉄筋配筋、設備配管の検査。壁が歪んで建っていないか検査を済ませ打設です。
08/3/13 土間コンクリート打設
地梁を埋め戻し転圧を掛け土壌処理を済ませて土間の鉄筋配筋、設備関係の配管など配置して土間コンクリートを打設します。打ち上がったコンクリート面が床下の仕上げになります。
08/2/25 基礎コンクリート打設
床掘りを済ませ地梁を組んで基礎コンクリートの打設です。
08/2/03 地鎮祭、 08/02/06遣り方
更地になった敷地で地鎮祭を執り行い、遣り方を済ませました。
08/01/30 既存建物解体
想い出の残る樹木などを残して解体作業が行われました。



実施設計

基本のプランが固まってきたら徐々に詳細な図面を起こしていく。
まずは平面詳細図、それから基本となる開口廻りを建具詳細図でおさえて、断面詳細図。施主と持ち物確認をしながら家具詳細図などの描き込み。電気設備や給排水設備も施主との打合せを重ねて品番を指定し図面に落し込む。実際に建物を造るための図面を描き進めていきます。

単純に図面枚数が多ければ良いという訳ではありません。家全体のイメージがバラバラにならないようにデザインを考え、製作側の立場で作り方を考え、使う側の立場でメンテナンスを考え、本当に必要な図面を取りこぼしの無いように描きます。

製作モノの家具や金物に関しても詳細図を添付します。もちろんすべてがオーダーメイド。

実施図面が完成したら施工業者数社に見積りを依頼。図面は可能な限り詳細に描いているので、施工業者の見積りの内訳も詳細になります。万が一、見積り金額がこちらの予定金額を上回った場合でも、詳細な図面内容と見積り内訳があるので何を削れば良いのかが容易に判断できます。しっかりした図面があれば「どんぶり勘定」にはなりません。最終的な工事金額が決まれば施主と施工業者が工事契約を締結し、いよいよ現場が始まります。



基本設計

自然を感じる2世帯住宅

大工だった施主の祖父が建てた木造家屋の建て替え計画。施主の要望は自然を感じることができる、コートハウス形式の2世帯住宅。敷地は三角形で、高低差2mの傾斜地に位置し3方向を道路に囲まれている。北側は隣地より高く南側は道路面より低い。厳しい敷地条件も裏返せば腕の見せ所。この土地だからこそ成立するワクワク楽しい家作りのスタート。

敷地の利用条件を整理して建物・駐車場・庭の配置を検討し、ヒアリングを行いプランを絞り込む。

今回は2案同時進行で工事費の概算やプチ風水や斜線制限、もちろんプランについて施主との検討を重ね最善の答えを模索。いつものように、外観イメージを共有するために1/100スケールのスタディー模型もプランに合わせていくつか製作。

絞り出されたコンセプトは「core+cells」。既存の住宅では母屋を囲んで納戸やトイレが敷地内に分散し、母屋を巡るミクロな外部空間が緑に溢れた迷路のようで不思議な空間体験があった。新しいプランでもそれを踏襲して、中心となる母屋(core)にその他必要な機能(cell)をボコポコとはめ込んでいく構成をとった。またcoreの内部空間も既存の母屋に倣い、広間とキッチンが表裏でつながる構成とした。
coreに融合したcellとcellとの間には隙間が生まれ坪庭や抜けの空間となり、どのcell(部屋)からも自然を感じ取ることができる。「限られた敷地の中で暮らす」という活動によって生まれた豊かな空間をそのまま生かすことが今回の施主の要望に対する解答となった。

cellのボコポコは二次元だけでなく、三次元的にもロフト書斎と寝室収納として機能的に展開。1/50スケールの模型で外観や内部の視線の抜け具合や光の入り方等を確認。いよいよ実施設計へと進む。